リトアニア北部の町、シャウレイ。その郊外の荒涼とした平野の中、小高い丘がある。高さは5mほどだが、この丘を他の丘と全く違うものたらしめているのは、合計5万本とも言われる、丘に立てられた十字架だ。

画像: 手前の十字架はヨハネ・パウロ2世が訪れた記念の十字架だ

手前の十字架はヨハネ・パウロ2世が訪れた記念の十字架だ

 こんなにも多くの十字架が丘に立てられた理由には諸説ある。リトアニア政府観光局の能登重好氏はこう語る。
「最初は戦争で死んだ息子の弔いのために老母が十字架を立てたという説や、平和の祈りのために立てたという説などいろいろと言われていますが、真相はわかっていません。ソ連統治時代、リトアニアで宗教が弾圧された際にも、この丘からは十字架が絶えることはなかったと言われています。ソ連軍が丘から十字架を根こそぎ取り去っても、次の日には誰かが必ず十字架を立てていたそうです」

画像: 大小さまざまな十字架が立ち並ぶ絶景。十字架のバリエーションの豊富さに驚かされる

大小さまざまな十字架が立ち並ぶ絶景。十字架のバリエーションの豊富さに驚かされる

 現在、無数の十字架が立てられたこの十字架の丘は、観光スポットにもなっており、最近では結婚式をあげるカップルもいるという。ソ連時代の弾圧を乗り越えた信仰心や、人々が十字架に込めた祈りに思いを馳せつつ、訪ねてみたい絶景だ。

●アクセス
シャウレイからは約12㎞。中央バスターミナルからバスに乗り15 分ほどの「Domantai(ドマンタイ)」まで行き、そこから徒歩。2001年には「リトアニアの十字架の手工芸とその象徴」で世界無形文化遺産に登録されており、十字架の丘周辺でも十字架を購入することができる。

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