「天空の城」、それは頂の上にそびえ立ち、人をも寄せ付けぬ遥かなる城塞。
 古来より人々は、領地を治めるため、威厳を示すため、そして自らの生活を守るために、山の頂に城を築いた。そして、時を重ね、ある城は攻め落とされ、ある城は忘れられ、歴史の中へと消えていった。

ドイツの名門貴族が築いた雲海に浮かぶ城
Burg Hohenzollern
ホーエンツォレルン城<ドイツ>

画像: 雲海の上に浮かぶホーエンツォレルン城。その姿はまさに「天空の城」と呼ぶにふさわしい神々しさだ

雲海の上に浮かぶホーエンツォレルン城。その姿はまさに「天空の城」と呼ぶにふさわしい神々しさだ

 そんな城の中で、「天空の城」という言葉が一番ふさわしい城は、ドイツのホーエンツォレルン城だ。ドイツ国内ではノイシュバンシュタイン城、ハイデルベルク城と並び、ドイツ三大名城に数えられるこの城は、11世紀に建造され、プロイセン国王やドイツ皇帝も輩出したホーエンツォレルン家の所有していた名城だ。田園風景の中、標高855mの円錐状の山の頂にそびえ立つ姿は、気品も感じられるほど優雅だが、城の構造としては実戦的な機能を備えている。戦乱の世を過ぎた後は一時は荒廃していたが、19世紀に再建され、最後の皇帝ヴィルヘルム2世の子孫が現在でも所有している。

ACCESS
ドイツ南西部、バーデン= ヴュルテンベルク州にある。ドイツ鉄道「ヘッヒンゲン」駅からシャトルバスがある。フランクフルトからは片道3時間半程度なので、日帰りも可能。

現存する世界最古の共和国に建つ天然の要塞
Rocca Guaita
グアイタの塔<サンマリノ共和国>

画像: 急峻な山の頂に築かれた城塞。サンマリノの領土は9つのカステッロ(城)と呼ばれる自治体からなっている

急峻な山の頂に築かれた城塞。サンマリノの領土は9つのカステッロ(城)と呼ばれる自治体からなっている

 次に紹介するのは、イタリア北東部にある世界で5番目に小さな独立国、サンマリノ共和国の城塞、グアイタの塔だ。4世紀の初め頃、マリーノという名の石工がローマ皇帝のキリスト教迫害から逃れ、キリスト教徒の共同体を作ったのが始まりとされている。それ以来、長きにわたって周囲からの侵略を阻み、独立を維持してこられたのは、その立地のおかげだ。首都のサンマリノは標高739mのティターノ山頂にあり、切り立った絶壁に建つ城塞には畏怖の念すら感じる。

ACCESS
イタリア北東部のエミリア= ロマーニャ州とマルケ州の間にある。リミニからのアクセスが便利。麓からはロープウェイやバスなどで。

高度な文明の跡を残す石造りの城塞都市
Machu Picchu
マチュピチュ<ペルー>

画像: 近くの山に登って見下ろすと、マチュピチュが「天空の城」と呼ばれる理由がよくわかる

近くの山に登って見下ろすと、マチュピチュが「天空の城」と呼ばれる理由がよくわかる

 最後のひとつは、インカ帝国が残した謎めく空中都市、マチュピチュだ。麓からはその姿は見えず、またインカ帝国が文字を持たなかったため、マチュピチュがどのような都市であったのかは、謎に包まれている。インカ帝国滅亡後、人の目に触れることなく廃墟と化していたが、1911年にアメリカの探検家に発見され、世界に知られることとなった。

ACCESS
ペルー南東部に位置する。首都・リマからはクスコを経由してアクセスする。クスコからマチュピチュまでは車と電車で3時間強。

 
 

 いずれも、今では世界各地から数多くの観光客を集めている。天空の城の威容は、その地に立った旅行者を驚かせることだろう。天候に恵まれれば、霧や雲海に包まれたその姿を見られるかもしれない。

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