砕ける直前の波のような岩塊、切り立った崖の台地、硬軟の岩盤を重ねた岩の奇態。自然は時に途方もない時間をかけ岩石にいたずらを仕掛け、訪れる人を圧倒し続ける。

風化と浸食が生んだ長さ110mのビッグウェーブ
Wave Rock
ウェーブ・ロック〈オーストラリア〉

画像: 長い年月の風化や浸食が原因だが、この地域に棲む大蛇が方向転換する際に体をぶつけてこの形に変わったなどの神話も残る

長い年月の風化や浸食が原因だが、この地域に棲む大蛇が方向転換する際に体をぶつけてこの形に変わったなどの神話も残る

 オーストラリア・ハイデンにあるウェーブロックは、波を切り取ったかのようなビジュアルを持つ。高さ15m、長さ110mの一枚岩の正体は27億年前にできた花崗岩。まだ地中にあった時から風化が始まり、地上に出てからも風雨を浴びて浸食されこの形状となった。岩に沿って流れ落ちる雨水に含まれた炭酸塩と水酸化鉄が、縦に入った模様を生み、あたかも本物の波のようなリアリティを生み出している。

ACCESS
西オーストラリア州の州都パースから東へ350㎞ほどに位置するハイデンという街にある。パースからレンタカーか日帰りツアーへの参加が一般的。

自然、歴史、文化、芸術と人類が融合した古代都市
Cappasocia
カッパドキア〈トルコ〉

画像: キノコのような形をした奇岩が並ぶ。現地では妖精の棲む岩と言われている

キノコのような形をした奇岩が並ぶ。現地では妖精の棲む岩と言われている

 次に紹介するのはカッパドキアの岩石遺跡群だ。イスタンブールと並ぶトルコの二大観光スポットのひとつで、ギョレメ国立公園とともに自然遺産と文化遺産を併せ持つ世界複合遺産に登録されたことでも知られている。トルコ中央、アナトリア高原の火山活動によって堆積した凝灰岩や溶岩層が浸食されてできた奇岩は、南北約50㎞にわたって点在。それぞれ「妖精の煙突」「キャメル・ロック」などといったユニークな名前がつけられている。この奇岩群を利用した城塞都市としても栄えた長い歴史を持ち、特にウチヒサールの要塞頂上から望む、360度の奇岩パノラマは時空を飛び超えた絶景を見せてくれるだろう。

ACCESS
トルコ国内のカイセリ空港やネブシェヒル空港からそれぞれバスで1 時間前後。首都アンカラからはバスで約5 時間。

登山家の心を揺さぶる断崖の山がある村
Chichilianne
シキリアンヌ〈フランス〉

画像: 雄大な自然が多いローヌ・アルプ地方ならではの絶景が広がっている

雄大な自然が多いローヌ・アルプ地方ならではの絶景が広がっている

 最後は、フランスの南東部にある「シキリアンヌ」。首都パリから約500㎞離れた人口300人にも満たない小さな村だが、幻想的な風景が眺められると話題となっている。その理由は、村の守り神のようにそそり立つ標高2085mのエギュイユ山が存在するからだ。石灰岩の山であり、長年の雨や風による浸食が進み、見事な絶壁が完成したという。その形から長らく山と認められておらず、山として正式認定されたのは1985年。登山も可能で、13世紀末から登山家の支持を得ていた。高度な技術が必要なため一般の人が登頂にチャレンジするのは難しいが、息を呑んでしまうほどの絶壁を見れば、登る意欲もなくなるはずだ。

ACCESS
フランス第二の都市リヨンから約120km。マルセイユからは約170km。両都市からレンタカーを利用して行くのが一般的。

 
 

 いずれのスポットもその奇観の背後には、千年単位の時を感じられる。その歴史が岩に刻む大自然の神秘と驚異を目に焼きつけたい。

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