1830年代、産業革命のさなかにイギリスで誕生した旅客鉄道。車窓に流れる絶景は、現在も多くの人を惹きつけて止まない。世界中の数ある鉄道の中から、美しい景観で人々を魅了する山岳鉄道を紹介したい。

マッターホルン山麓の絶景を車窓から眺める
Gornergrat bahn
ゴルナーグラート鉄道〈スイス〉

画像: 標高4478m、天を突くかのような鋭いマッターホルンを全長約9kmにわたって、車窓から様々な角度で眺めることができる

標高4478m、天を突くかのような鋭いマッターホルンを全長約9kmにわたって、車窓から様々な角度で眺めることができる

 まずは、世界に誇る山岳鉄道を有するスイスで「特に美しい」と称されるゴルナーグラート鉄道。イタリアとの国境に近いヴァレー州ツェルマットを走るこの鉄道は、4000m級の山々が連なるヨーロッパアルプスの7割にあたる29座を視認できる。なかでも乗客が目を奪われるのが、マッターホルンの眺め。“牧草地の角”を意味する、天を刺すようにそびえる、その姿を高低差約1500m登るなかでさまざまな角度から楽しめる。

ACCESS
山麓駅があるスイス南部のツェルマットまで、チューリッヒ国際空港からスイス連邦鉄道で約3 時間半、ジュネーヴ国際空港からは約4 時間。

「Top of Europe」と呼ばれる欧州最高海抜の登山鉄道
Jungfrau bahn
ユングフラウ鉄道〈スイス〉

画像: 始発駅のクライネ・シャイデック駅の海抜は2061m だが、終点のユングフラウヨッホ駅は3454m。標高差は約1400m

始発駅のクライネ・シャイデック駅の海抜は2061m だが、終点のユングフラウヨッホ駅は3454m。標高差は約1400m

 標高3130mのゴルナーグラート鉄道より高い場所を走るのが、同じスイスのユングフラウ鉄道だ。終点ユングフラウヨッホ駅は、海抜3454mと欧州最高海抜地点に位置している。オーバーラント三山のアイガー、メンヒと2つの名峰を通り抜けるため、全走行時間約50分のうち8割近い区間はトンネルの中となる。だからこそ、途中でわずかな時間見えるアイガー北壁や、ハイキングコースとしても有名なファルボーデン湖などの眺めが格別の迫力と興奮をもたらす。また、麓のインターラーケンから複数の鉄道を乗り継ぎ訪れるというアクセス方法も鉄道ファンには好評だ。

ACCESS
インターラーケンのインターラーケン・オスト駅からベルナーオーバーラント鉄道などを乗り継いで起点のクライネ・シャイデック駅へ。

白煙と雪煙を吹き上げ力強く走るSL
Brocken bahn
ブロッケン鉄道〈ドイツ〉

画像: 世界でも少なくなった現役蒸気機関車の勇姿を求め、世界中から"撮り鉄"が集う場所でもある

世界でも少なくなった現役蒸気機関車の勇姿を求め、世界中から"撮り鉄"が集う場所でもある

 標高はスイスの2線ほど高くないが、それ以上に鉄道ファンの関心が高いのがドイツのブロッケン鉄道だ。正しくはハルツ狭軌鉄道のブロッケン線だが、魔女伝説が残るブロッケン山への観光支線として「ブロッケン鉄道」と呼ばれ愛されている。特筆すべきは先頭の蒸気機関車だ。1000㎜と狭い軌間ながらも石炭の煙を上げながら、力強く後続車両を牽引。特に積雪の多い冬季はラッセル車(除雪車)も併せて目撃できるので、多くの観光客が訪れる。また、途中のドライ・アンネン・ホーネ駅では給炭、給水といったSLには欠かせない作業も見学でき、鉄道ファン垂涎の地としても名高い。

ACCESS
首都ベルリンからドイツ鉄道(DB)でヴェルニゲローデへ約3 時間。ヴェルニゲローデ駅でハルツ狭軌鉄道に乗り換え。

 
 

 車窓から景色を眺め、乗り心地を確かめ、撮っても楽しい欧州を代表する3線。旅とは移動することだが、移動そのものが至上の喜びになる。

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