単に時を伝えるだけではなく、高くそびえる造形美で人を惹きつける時計塔。なかでも、街のシンボルとして存在感を誇る3つを紹介する。

賑やかに鳴り響く鐘の音
Spasskaya Tower
スパスカヤ塔〈ロシア〉

画像: 高さ約74mの塔には、直径6.12 mもの巨大な文字盤が。先端にある赤い星は、旧ロシア帝国を象徴する双頭の鷲から置き換えられたもの

高さ約74mの塔には、直径6.12 mもの巨大な文字盤が。先端にある赤い星は、旧ロシア帝国を象徴する双頭の鷲から置き換えられたもの

 最初は、ロシアの首都モスクワの中心部にあるスパスカヤ塔。旧ロシア帝国の宮殿・クレムリンを取り囲む20の尖塔のひとつで、現在は政府要人や海外からの賓客がクレムリン宮殿に入る際の公用門として利用されている。赤レンガ造りの塔は気品に溢れ、金色の針と黒の文字盤の色合いも美しく、独特な雰囲気を醸し出す。厳粛さすら感じさせる塔に優雅な輝きを与えているのが、建物の先端に設置されたルビー。ウラル山脈で採掘した直径約3mの鉱石は、夜のライトアップ時に素晴らしい輝きを放つ。15分おきに響く鐘の音も、建物の存在感を引き立てている。名作曲家セルゲイ・ラフマニノフが鐘の音をヒントに前奏曲『鐘』を作ったという逸話もあるほどだ。
 この塔が完成したのは1491年。当初は、フロロフスカヤ塔と呼ばれていたが、17世紀半ば頃に救世主イエス(ロシア語でスパス)の聖像画が門の上に掲げられたことから今の名称で呼ばれることになったという。

ACCESS
首都モスクワのシェレメーチエヴォ国際空港から、アロエクスプレスで市内へ。地下鉄ボロヴィツカヤ駅、ビブリオチェーカ・イーメニ・レーニナ駅から徒歩約4 分。

聖地メッカの時を告げる世界一の高さを誇る時計塔
Makkah Clock Royal Tower
メッカ・クロック・ロイヤル・タワー〈サウジアラビア〉

聖モスクにあるカアバ神殿の周りを取り囲む信者たち。先端にあるのは、純金でできた23m もの巨大な三日月

 続いては、サウジアラビアのメッカ・クロック・ロイヤル・タワー。先端部分を含むと高さは817mになり、ビルとしては世界2位、時計塔としては世界一である。文字盤は直径46m、長針も長さ23mと巨大で、10㎞先の場所からでも時刻を確認できるというから、そのスケールは尋常ではない。先端にある三日月の内部は礼拝堂になっていて、祈りを捧げることができる。イスラム教の聖地メッカの荘厳な雰囲気とは正反対の、現代建築の華やかさが際立つ。

ACCESS
サウジアラビア西部のジッダにあるキング・アブドゥルアズィーズ国際空港から車で約1 時間15 分。

ムーア様式とビクトリア様式の建築美
Sultan Abdul Samad Building
スルタン・アブドゥル・サマド・ビル〈マレーシア〉

画像: イギリス帝国に植民地支配されていた1897 年に完成。館内には織物博物館があり、夜には鮮やかなライトアップが施される

イギリス帝国に植民地支配されていた1897 年に完成。館内には織物博物館があり、夜には鮮やかなライトアップが施される

 最後は、マレーシアにあるスルタン・アブドゥル・サマド・ビルだ。イギリス建築とイスラム建築が融合したレンガ造りの建物は、圧巻だ。その中央に立った高さ41 mの時計塔が、見る者を魅了している。さらに建物の美しさが際立つのが、マレーシアの独立記念日である8月31日だ。通常とは異なるライトアップが施され、神秘的な光景を見ることができる。

ACCESS
クアラルンプール国際空港から、電車またはバスでKL セントラル駅まで約30 分。同駅から徒歩約30 分。

 旅先の街で時計塔からの鐘の音によって時刻を知る。そんな素敵な体験を、ぜひ楽しんでほしい。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.