世界遺産を駆けるクルージングトレインの代名詞
Rochy Mountaineer
ロッキーマウンテニア号〈カナダ〉

画像: バンフ行きは車窓からの景色を楽しむため、運行は日中のみ。中間地点のカムループスで停車し、乗客はホテルに宿泊する1泊2日の行程だ

バンフ行きは車窓からの景色を楽しむため、運行は日中のみ。中間地点のカムループスで停車し、乗客はホテルに宿泊する1泊2日の行程だ

 北米を代表する山岳鉄道として真っ先に挙げられるのは、ロッキーマウンテニア号だろう。“クルージングトレイン”とも呼ばれる同列車は、約2万3600㎞にも及ぶ鉄道網を誇るカナダ太平洋鉄道を走る観光列車だ。バンクーバーを起点に、ウィスラーやケネルを経由する最長のジャスパー行き、アメリカ・シアトルへ向かう国境越えなど、複数のルートを持つ。中でも、最も眺望がいいのが世界で3番目に古い国立公園であるバンフ国立公園近くの駅が終点となる路線だ。氷河に源流を持つボウ川の沿岸を走る車窓からは、針葉樹の森や大鉄橋、滝、野生動物の姿など鉄道の旅を盛り上げてくれる景観が次々と見える。

ACCESS
日本からの直行便のほかアジアや北米各都市からバンクーバーへ飛び、シャトルバスなどでパシフィック・セントラル駅へ。徒歩すぐのロッキーマウンテニアが始発駅。

ゴールドラッシュに思いを馳せる美しく儚い国境越え路線
White Pass and Yukon Route
ホワイト・パス・アンド・ユーコン・ルート〈アメリカ・カナダ〉

画像: 米アラスカ州スキャグウェイを出発し、カナダのユーコン準州のカークロスまでの約110㎞の旅だ

米アラスカ州スキャグウェイを出発し、カナダのユーコン準州のカークロスまでの約110㎞の旅だ

 続いては、19世紀末のゴールドラッシュがきっかけで開設された路線、ホワイト・パス・アンド・ユーコン・ルートだ。カナダとアメリカの国境近くの街、ドーソンシティで一攫千金を目指した山師たちが、拠点のひとつだった港町スキャグウェイからの道のりで難所とされたホワイト・パス(ホワイト峠)を拓く目的で造ったという。金をはじめ、銅や鉛といった鉱物資源が底を突いた20世紀末には一度運行が停止された。しかし、スリリングな起伏と沿線の景観には「廃線とするには美しすぎる」との声が多く寄せられ、観光列車として運行を再開。今では、絶景を求め観光客が数多く訪れている。

ACCESS
北米各都市からアラスカ州都、ジュノーにあるジュノー国際空港に飛び、そこからバスやレンタカーで鉄道の発着点となるスキャグウェイへのアクセスが一般的(約6 時間)。

130年を超える歴史を持つアメリカの国定歴史建造物
Durango and Silverton Narrow Gauge Railroad
デュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道〈アメリカ〉

画像: 北米山岳鉄道のメッカとも呼ばれるコロラド州でも、特に優れた景勝を持つといわれている

北米山岳鉄道のメッカとも呼ばれるコロラド州でも、特に優れた景勝を持つといわれている

 1882年に開通し、アメリカで最も長く運行されているのが、コロラド州のデュランゴとシルバートンを結ぶデュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道だ。西部開拓時代を思い出させてくれる機関車の勇姿をカメラに収めようと、写真愛好家たちが集うことでも有名だ。標高差は1㎞と北米の山岳鉄道の中でもトップクラス。ロッキー山中を流れるアニマス川の激流を眼下に険しい渓谷を70㎞かけて力強く登る。窓が開け放たれた開放感溢れる客車も大きな特徴だ。

ACCESS
最寄りのデュランゴ・ラプラタ郡空港まで日本からの直行便はない。ダラス、デンバー、ロサンゼルスなどの各空港で乗り継ぐ。鉄道駅まではタクシーやシャトルバスを利用。

 カナディアンロッキー、ゴールドラッシュ、国境。自然美や古きよき時代を偲(しの)ぶ世界を、山岳鉄道はあえてゆったりと、しかし力強く進む。どれもこの忙(せわ)しい現代においては贅沢極まりない鉄道の旅だ。当時に思いを馳せながら、車窓に流れては消える北米の原風景を存分に堪能したい。

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