最近は東京駅のようにレトロ感漂う駅舎が注目を集めるが、一方で近代的なデザインの駅舎も高い人気を博している。従来の駅舎とは一線を画した斬新なデザインと、芸術性が光る美しさで人を魅了する世界の駅舎を紹介する。

町のエリアを繫ぐ架け橋的存在
Liège-Guillemins Railway Station
リエージュ=ギユマン駅〈ベルギー〉

画像: 2009 年に完成した駅舎は、ガラスとスチールで構成。ホームから構内を通らず、直接駅前に出られるため、機能的にも優れている

2009 年に完成した駅舎は、ガラスとスチールで構成。ホームから構内を通らず、直接駅前に出られるため、機能的にも優れている

 ベルギー東部の工業都市リエージュにあるリエージュ=ギユマン駅は、美しい曲線美を誇る。この駅舎を手がけたのはスペインの建築家サンティアゴ・カラトラバ。白鳥が羽を広げたような形のアメリカのミルウォーキー美術館をはじめ、白を基調にした気品溢れる建築が彼の特徴だ。リエージュ=ギユマン駅も真っ白な骨組みとガラスが主体となり、天井から降り注いできたかのような斜柱を利用した構造よって、広々とした空間を実現している。日が落ちて駅構内に照明が灯されると、近未来に迷い込んだような気分を誘う、落ち着きのある上質な空間となる。

ACCESS
首都・ブリュッセル国際空港から電車で約50 分。

大自然の中に現れた異空間
Hungerburg Station
フンガーブルク駅〈オーストリア〉

画像: かつて"アンビルト(実現しない建築)の女王" の異名を持っていたザハのデザインは曲線美が特徴的だ

かつて"アンビルト(実現しない建築)の女王" の異名を持っていたザハのデザインは曲線美が特徴的だ

 1906年に完成したオーストリアのケーブルカー・フンガーブルクバーン。その歴史とは対称的に、駅舎は斬新さが際立っている。チロル州の州都インスブルックの中心地とフンガーブルク展望台を結ぶケーブルカーで、4つの駅が設けられており、いずれも個性的な駅舎だ。なかでも終点のフンガーブルク駅は奇抜なデザインが目を引く。手がけたのは日本の新国立競技場の当初案で物議を醸したザハ・ハディドだ。曲線を描く屋根は、空を羽ばたく鳥の翼にも見えれば、海中を浮遊するクラゲにも思える。背後にそびえるノルトケッテ連峰との共演は、実にすばらしい。

ACCESS
首都・ウィーンから最寄りのインスブルック空港まで飛行機で1 時間弱。空港から車で約20 分。ケーブルカーでは約10 分。

日本建築と近代建築の融合
Kanazawa Station
金沢駅〈日本〉

画像: 2005 年に完成した駅舎は、金沢のシンボルとなっている。鼓門の高さは13.7m

2005 年に完成した駅舎は、金沢のシンボルとなっている。鼓門の高さは13.7m

 アメリカの旅行雑誌で、世界で最も美しい駅のひとつに選ばれた石川県の金沢駅も、日本が誇る近代的で美しい駅舎だ。改札を出ると、建築家・白江龍三が設計した鉄骨とガラスが作り出す幾何学模様の屋根が特徴的な「もてなしドーム」が出迎えてくれる。雨傘をイメージしてデザインされたこの空間は、駅を降りた人に傘を差し出す“日本のおもてなしの心”を表現。外へ出ると、能楽・加賀宝生の鼓をイメージした「鼓門」が日本の伝統文化をアピールしている。螺旋状に組み上げられた木造の柱からは、和の温かみだけでなく力強さも感じられるはずだ。

ACCESS
小松空港からバスで約40 分。

 造形美が光るこんな駅舎を眺めることも旅の楽しみの一つになるだろう。

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