ステンドグラスの起源は、9世紀の中世ヨーロッパという説が有力だが、その美しさは1000年以上経った今も色褪せていない。

ゴシック建築が生んだ聖なる宝石箱
Sainte Chapelle
サント・シャペル〈フランス〉

画像: 2階礼拝堂の大窓は高さ約15m。オペラグラスを使用すれば、色彩や緻密さに溢れた細部の装飾まで堪能することができる

2階礼拝堂の大窓は高さ約15m。オペラグラスを使用すれば、色彩や緻密さに溢れた細部の装飾まで堪能することができる

 真っ先に挙げられるのが、パリを流れるセーヌ川の中州、シテ島の世界遺産エリアにたたずむサント・シャペルのものだろう。ルイ9世の命で建てられた教会自体もゴシック建築の最高傑作のひとつとして名高いが、それ以上に旅人を引き付けるのは、礼拝堂を囲むように張り巡らされた15の大窓を飾る、パリ最古にして最大級のステンドグラスだ。青と赤を基調としており、太陽の動きに合わせて朝方は青が強く輝き、午後から夕方にかけて徐々に赤味を帯びてゆく。「聖なる宝石箱」の名に恥じない美しい色彩の変化を、一日かけて楽しみたい。

ACCESS
首都パリにあるシャルル・ド・ゴール国際空港からパリ高速鉄道でサン・ミッシェル・ノートルダム駅まで約30分。駅から徒歩約3 分。

「ピンクモスク」の異名を持つ無限に広がる万華鏡
LNasir al-Mulk Mosque
マスジェデ・ナスィーロル・モスク〈イラン〉

画像: 幾可学模様の壁や色彩豊かなペルシャ絨毯で構成された回廊は、真珠のアーチとも呼ばれている

幾可学模様の壁や色彩豊かなペルシャ絨毯で構成された回廊は、真珠のアーチとも呼ばれている

 続いては床のピンクのタイルとステンドグラスの色からピンクモスクの異名を持つ、イラン南部のシーラーズに建つマスジェデ・ナスィーロル・モスク。朝日が差し込む時間帯の西側の回廊の色彩は見逃し厳禁だ。真新しい陽光がステンドグラスを透過してピンクのタイルを、あるいはペルシャ絨毯を染める様はこの世のものとは思えない魅力的な光を帯び、来訪者たちの心を癒やしてくれる。他のモスクでは決して拝めない色彩は、万華鏡を思わせる美しさだ。

ACCESS
シーラーズ国際空港からバスかタクシーで市街へ約20分。市街からは市営バスでアマージ・スクエア下車、徒歩約10分。

世界最大の教会を覆う世界最大のステンドグラス
Basilique Notre-Dame de la Paix
平和の聖母聖堂〈コートジボワール〉

画像: 大理石はイタリアから、ステンドグラスはフランスからそれぞれ輸入したという。総工費は約3 億ドル

大理石はイタリアから、ステンドグラスはフランスからそれぞれ輸入したという。総工費は約3 億ドル

 雄大で宏壮という意味では、コートジボワールの首都ヤムスクロにそびえる平和の聖母聖堂のステンドグラスが傑出している。4年もの年月をかけて建設された世界最大の教会は、首都のランドマーク。円柱形の建物の中央祭壇から放射状に数千人が座れる礼拝席が設置されており、それらを囲むように壁のすべて、さらにはドーム型に作られた天蓋までステンドグラスで覆われている。全方位から差し込む光があらゆるものをモザイク模様に照らし出すという神秘的な体験はここでしかできないものだ。

ACCESS
アビジャンにあるフェリックス・ウフエ・ボワニ国際空港から首都ヤムスクロまで高速バスで約3 時間。市街からはタクシーで約10分。

 太陽光を透過させることで、多様な色を取り混ぜて各堂内に放つステンドグラスの美しさ。信心と透光が生み出すまばゆさを目の当たりにすることで、人生観が変わることもあるという。それほどまでに人を魅了してやまないステンドグラスの素晴らしさを、その目で確かめてほしい。

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