映画やアニメの世界観のような10日間限定の光の毛氈

 日暮れ後、深い闇の熊笹の森に無数の黄白色の光が浮かび、乱舞する。その幻想的な光景が、「煌(きら)めく森」「光の毛氈(もうせん)」「自然のイルミネーション」などと評される、金ボタルの群飛だ。

画像: ストロボ撮影や懐中電灯の光、タバコや蚊取り線香の煙は、絶景を楽しむために禁止されている

ストロボ撮影や懐中電灯の光、タバコや蚊取り線香の煙は、絶景を楽しむために禁止されている

 この陸生のホタルは毎年7月10日前後の約10日間、求愛活動のために光を放つ。特に岡山県新見市の天王八幡神社の社叢(しゃそう)は、その発生範囲、 発光量ともに全国有数の金ボタルの生息場所として全国から写真家や観光客を集めている。

 緩徐(かんじょ)に涼しげな黄緑色の光を帯びてゆくゲンジボタルやヘイケボタルとは違い、ストロボのように黄白色の光跡を残しながら明滅を続ける金ボタルに、森は命を吹き込まれたように浮かび上がり、うごめき始める。熊笹を揺らす風の音、幽(かす)かに聴こえる金ボタルの羽音以外は何も聴こえない独特な静けさは、艶やか、かつ典雅であり、異世界と言っていい。その情景は生命の神秘であり、夏の到来を告げる風物詩だ。

 都会では絶対に味わうことのできない幻想空間。ここ数年の気候の変化で忘れ去られそうになる四季の移ろいを間近で感じることで、日本に生まれてよかったと思える人も少なくないはずだ。

 見頃 :7 月上旬~7月中旬

 住所 :岡山県新見市哲多町蚊家(てったちょうこうのいえ)
アクセス:JR 芸備線新見駅からタクシーで約30 分、中国自動車道新見IC から約20㎞。

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